設計技術<技術の修得と応用>
私たちにとって大切な、過去から受け継ぎながら少しずつ改良を重ねている、技術についてご紹介します。技術とはいっても、材料の選択から、設計、施工、そして数寄屋大工の巧みな技など、様々な種類があります。ここでは設計技術と数寄屋大工技術を中心にご紹介します。
この図面は亥之助による「残月亭」の図面です。
田尻工務店は、木津宗詮宗匠(4代花笑斎)の下で茶室を多く手がけた数寄屋大工の田尻亥之助に始まります。亥之助は、木津宗詮宗匠から貴重な史料を拝見し、描き写しながら、過去の技術を知識として、まずは修得していったようです。このような過去の積み重ねは、私たちにとっても、設計技術の基礎を身につけるための大切な史料となります。
史料と文献
これからも皆様に、茶の湯の文化や伝統的な建築技術を楽しんで頂ければ、これ以上のよろこびはありません。そして、私たちも皆様と共にもっと深く文化というものを考え、楽しんでまいりたいと思います。
そのような目的で、ここに使用した史料・文献を出来る限り公開できればと考えています。なお、史料については、私たちの身のまわりに蓄積されてきた情報を出来る限り公開して行こうと考え、現在整理を進めています。
史料
- 木津宗詮家史料
- 田尻工務店史料
- 木津宗一「木の津の遺蹟」願泉寺、S.9・S.12改訂増補
参考文献
- 日向進、矢ケ崎善太郎、松本康隆「茶人木津宗詮と数寄屋大工笛吹嘉一郎による茶室の研究」『研究年報No.30』住宅研究財団、2004
- 松本康隆「3代木津宗詮の職能と茶室の全体的把握のための基礎的研究」日本建築学会計画系論文集、第602号、191-198、2006